夏の食べ物

こんにちは、ほうと接骨院の稲本です。

お盆ですね。

前回のブログでお話しましたが、日本では立秋の後8月中旬~下旬にかけてのお盆の時期に暑さのピークを迎えます。

もちろんその年によって変化しますが、今が一年で一番暑い時期です(^_^;)

お盆を過ぎれば徐々に気温も下がってくるのでもうひと踏ん張りですね!

さて「枇杷(ビワ)が黄色くなると医者が忙しくなる。」ということわざがあります。

これは西暦1500年頃の中国が明の時代に生まれたことわざで、枇杷の実が熟して黄色くなる夏頃には病人が多く出て忙しくなる様子を表しています。

現代においては、年によってバラツキがある感じですが、この時代では夏場に病人が多くなることが一般的だったようですね。

これは、この言葉が成立した時代は現代に比べ輸送網・交通網がはるかに貧弱であることと、

食品の保存方法も限られていることにより、食あたりが多かった、

また、食べられる食材が限られていることにより栄養が不足し、ひどい暑気あたりや熱中症が頻発していたからではないかと考えます。

現代においては輸送・保存の技術向上や食料の生産技術向上により、栄養分の供給と言った面ではほとんど不足することはないかと思います。

しかし、食べ物を栄養分として消化・吸収するのは胃や腸の働きです。

この胃腸の働きが悪くなっていると食べたものがきちんと吸収されません。

食べ物をきちんと消化・吸収できない状態だと、体の疲れもうまくとれませんし、疲れやすくなります。

枇杷の実が熟す梅雨入りの時期から夏の暑さが和らぐ時期までは胃や腸を傷めやすい時期となります。(これは前回お話しました。)

なので、この時期が最も食事が難しく、気をつける必要があると私は考えます。

・・・さて、食事ですが皆さんはどのような食事をされているでしょうか?

季節の「旬」に合わせた食べ物を摂ることが健康に良いとされています。

これは「旬」の食べ物は栄養分が豊富になることと、その季節ごとに身体が必要としている作用を持っているからです。

例えば、夏野菜(ナス、キュウリ、トマトなど)は栄養面で言えばカリウムなどのミネラルを含み、水分も多く含んでいるため発汗の多い夏場に向いています。

さらに、これらの夏野菜には身体にこもった余分な熱を冷ますという作用も持っています。

なので、これら夏野菜を「旬」の夏に食べると言うのは非常に理にかなったことなのです。

夏野菜は体を「冷ます」作用を持つものが多い

・・・ただし、これは季節の巡り通りにしっかりと汗をかく「暑い夏」を過ごしている人に言えることです。

現代では冷房がついていることが多く、オフィスでデスクワークが中心の生活を送っている人などは、この時期としては身体が冷えてしまっている場合があります。

お腹が冷えてよく水下痢をする、というような方もいるのではないでしょうか?

こういった方には、身体を冷ます作用のある夏野菜はかえって逆効果で、温める作用をもつ食べ物を摂ることが必要です。

夏の果物は水分が多く、「冷ます」作用を持つものが多い
果物の中でもは「温める」作用をもっている

では、この時期の身体を温める作用がある食材はと言うと・・・

ショウガ、シソ、ニンニク、ミョウガなど。(ミョウガについては体を冷ます寒性とする説もありますが、自分は体を温める温性の説を採用します)

薬味でおなじみの食材です!

ネギやニラ、トウガラシなど薬味で使われる食材は「温める」作用を持つものが多い

この時期に食べることが多くなる素麺や冷奴など冷たい食べ物に、こういった薬味を添えることは理にかなっていたということですねぇ。

また、体を冷ます作用のある食べ物でも火を通すことによりその性質を和らげる、ということも可能です。

味が変わってしまいますが、しっかりと加熱して食べる、というのもアリですね。

薬味を添えることで「冷ます」作用を和らげる
熱いカレー夏野菜を添えてさっぱりと

こういった食べ物の東洋医学的な観点から見た性質を、またの機会に詳しくお話できればと思います。

今回のお話で、皆様ご自身のお体にあった食生活を見つける手助けになれたならば幸いに思います。

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