食欲の秋、スポーツの秋
こんにちは、ほうと接骨院の稲本です。
9月に入り、朝晩が涼しくなる日も増えてきました。
台風の影響もあり、今日は蒸し暑く本格的な秋、と言った感じではありませんが、
今回は「〇〇の秋」と言う言葉について私見を述べていこうかと思います。
表題にあります「食欲の秋」ですが、
少し調べてみたところ海外にはあまりこういった概念はなく、日本独自の考え方のようです。
生理学的に秋に食欲が上がる理由としては・・・
・気温の低下に対応して基礎代謝を上げるために多くの食物を摂取する。
・食欲を抑える物質であるセロトニンの分泌量が日照時間の減少により少なくなり食欲が増加する。
などといったことが考えられています。
しかし、この生理学的な理由だけだとすると、日本だけでなく様々な国や地域にも「食欲の秋」的な考え方が広がっているはずです。
日本で特異的に「食欲の秋」といった考え方が定着している理由としては・・・
・日本の四季がはっきりしていて、変化に富んだ厳しい気候(そもそも四季がなければ、春夏秋冬という季節感も生まれない)
・その中でも秋は涼しく穏やかで比較的過ごしやすい
・主食である米を始めとして日本の穀物の多くが秋に収穫期を迎えていた
といった日本に住んでいれば極々当たり前のことにあるのかな、と思います
日本の夏は太平洋高気圧の影響で湿度と気温が非常に高くなります。
秋はそこから冬の厳しい寒さと乾燥へと向かっていく季節で、涼しくて比較的乾燥した季節となります。
夏の湿度と暑さで胃や腸の調子が崩れやすくなることは以前お話しました。
東洋医学で食べ物の消化・吸収をつかさどる臓器を「脾」といいますが、
この「脾」という臓器は湿を嫌い、燥を好むという性質があります。
秋の涼しく比較的乾燥した空気が、夏の湿気で傷んだ胃腸を立て直す手助けをしてくれるわけですね。
もう一つの点である米を始めとした穀物ですが、これらには夏の暑さで消耗した「氣」というエネルギー源を補う作用があります。
他にも、秋の食材はさつま芋を始めとした芋類、椎茸などのキノコ類といった「氣」を補う作用のある食べ物が多く旬を迎えます。
「氣」というエネルギー源を得て、「脾」という胃や腸など消化・吸収をつかさどる臓器がさらに活発に活動できる・・・
上記の秋の気候が胃腸にとって優しいことと合わせて「食欲の秋」という考え方が広がった一因ではないかな、と思います。
・・・そして、この「食欲の秋」があってこそ「スポーツの秋」や「読書の秋」など、様々な「〇〇の秋」につながって行くものだと考えられます。
食が生命活動を行う上で必須なのは言うまでもありません。
もう一つ、東洋医学で「脾」という臓器は「思」という感情と密接に関わっています。
「思」とは思考・思慮といった精神活動を表すものです。
なので、
秋に「脾」の調子が立て直されるとともに、精神活動も活発に行えるようになる・・・
「食欲の秋」によりエネルギー源が蓄えられて、様々な活動を行う元気が湧いてくる・・・
涼しくなることで運動による消耗が少なくなり、身体を動かしやすくなる・・・
こういった理由で様々な活動できる身体と環境が整うことにより、日本独自の様々な「〇〇の秋」が生まれていく背景になっていったものと考えます。(完全に私見ですが)
「食欲の秋」といっても暴飲暴食せず「脾」の調子を整えて、皆さんのそれぞれの「〇〇の秋」を楽しんで欲しいですね。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございます!m(_ _*)m
次回の更新は9/17を予定しております。
ではでは(*^_^*)ノシ